話を聞くとき

聞き手の態度や姿勢によって、話し手の話の内容は変わってきます。

例えば「学校でこういうことがあった。自分はこう思っていて、こうなると思う。だからやりたくないんだ」と、私に話をしてくれたときに「その意見は相手にちゃんと伝えたの?」と聞くと「面倒臭いからやりたくないって言った」と言うのです。「ちゃんと理由があるのに、どうして?」と聞くと「どうせ否定されるだけだから」と返ってきます。

本当は思う事があってちゃんと理由もあるのに、聞き手によって話す内容を変えてしまうのです。これは一つの例で様々なパターンがあると思うのですが、この例だと話す方も聞く方もなんだかもったいないなと感じます。話も良い方向には進みません。
では、そうならないための聞き方とはどんなものだろう?と考えて、気をつけるようにしていることについて書こうと思います。

相手の話を聞くと、聞き手はそれについて何かを感じたり思ったりします。他愛もない会話の中ではポンポンとそれをお互いに交わすことで会話が進みます。
でも、ちょっと大切な会話…というか、相手の気持ちをきちんと知りたい場面では「自分が思うこと」を少し制限する必要があると思っています。制限するというのは、思うこと自体にではなく「思うことを表にだすこと」を控えるということです。

自分の考えはいったん置いて、相手の話を相手になったつもりで感じるように聞くことが大切だと考えています。そうすることで相手の話に集中できるし、相手も「否定されるかもしれない」などの不安を抱く必要がなくなり、安心して話ができるのではないかと思うのです。相手が感じていることを一緒に味わった後に、自分が思ったことを伝えてあげることで会話を深めていくこともできます。
どうしても自分の感情がじゃまをして難しいのですが、そう聞くように努力をすることだけで、その会話は大きく変わってきます。このことはふだんの生活の中で生かせる場面が多いのではないかと思います。ぜひ試してみてください。