貯めておく

幼い時期から思春期まで人にとっていちばん重要な期間に、どれくらい「大切なもの」を貯めておけるかがその後の人生の支え、燃料、土台になると考えています。

「大切なもの」というのは、人に優しくされたり、大切にしてもらったり、うれしいことがあったり、頑張ってみたことが成功したり、誰かに感謝されたり、お腹が痛いくらい誰かと笑ったり……etc
どれだけ細かなことでもいいし、家族・友人・他人などに関係はありません。その人が思い出した時に体や心があたたかくなるものであれば何でも良いです。

それさえ心の中にコツコツと貯めておくことができれば、その先にどれだけ絶望的な出来事が起きても大丈夫なような気がしています。大変なことが起きても落ち込まないというのではありません。一番下まで落ち込んでも、最後の一歩は決して踏み込まないだろうということです。人を殺したり、自分を殺したり、心の病気に深くまで蝕まれたり、そういうところに、です。

もちろん「大切なもの」ばかりで埋めることはできません。失敗して、嫌な思い出も消したい過去も山盛りできますが、それと同じくらいの「大切なもの」を貯めておけば大丈夫です。

何でだと言われてもうまく説明ができないのですが、このことに私はかなり確信しています。
「将来困らないように」ではなく「将来絶対困ることがあるんだからコツコツ貯めておこう」と、そう思ってここに来てくれる人にも接しています。どんなに小さなことでも残るものがあればラッキーだなと思っています。

「ああもう無理だ終わりだ」と思った時にそれらが知らぬ間に支えてくれます。「あんな楽しいことがあったんだから頑張ろう」とかそんなんじゃないです。絶望のときにそんなこと思い出す余裕はありません。最低限自分を守る行為を無意識にする燃料になってくれます。たぶんそんな感じだと考えています。

思春期過ぎたからもう貯めても仕方がないのか?ということでもありません。その時期までに貯めておくことに越したことはないのですが、だからってこの先も生きないといけないので、今からでも貯めるべきです。
大人だとある程度自分で動かないと誰もやってくれないので、多少の努力は必要になってくると思います。難しければぜひカウンセリングに来てください。私も一緒に考えます。

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