テストが返ってきたら、解答用紙を授業に持ってきてくれます。子どもたちはそれぞれ「この問題できてん!」とか「変なミスしてしまった〜」とかひと通り感想を話してくれます。私も解答用紙を見ながら気づいたことをあれこれと話します。
特に、このテスト後の会話の中で「目線をもどす」ことが必要な場面がよくあります。
それは例えば子どもが「自分は前よりできたけど、平均点より下やしな〜」とか「これが合っていてい嬉しかったけど、まわりの子はもっとできてたしな〜」というようなことを言った時です。
話を聞いていて「自分の頑張りを他と比べて認めないようにしているな…」と感じた時、その自分の頑張りに目線をもどさせるような言葉かけをすることを意識しています。
「この問題はテストに出たら絶対解いてみてねっていっぱい練習したところをちゃんと解いている!しかも丸をもらっている!すごいじゃん」
「ここ、あんなに間違えやすかったのに本番でできてるじゃん!」
「あれ、このスペル書けたの?あんなに嫌だと言っていたから私ももうそれは無理しなくていいんじゃない?って言ってたのに。まさかあれから練習したの?すごいじゃん」
など、どんな些細なことでも見つけて褒めて気づかせます。よいしょよいしょと引っ張ってでも自分の頑張りに目を向けさせます。
テストを例に挙げましたが、もちろん他の場面でもあります。「あ!」と思ったときはこっちを見て!ともどさせます。
「自分を認める」ことの積み重ねが次も頑張れる原動力になると考えているからです。それに「自分を認められる」人は強い人です。「うぬぼれ」とか「自分に甘い」とかに誤解されやすいし、自分でもそれと勘違いしてしまいがちだけど、そこを見極められるところも含めて強さだと思います。
とても必要なことなのに、大人になるにつれて自分を認めづらくなってきます。いろんな経験をしたりいろんな人を見て見極めるのが難しくなってくるからかなと思います。周りもそんな褒めてくれる人はいないし。
だから今のうちに、いろいろとまだシンプルなうちに、少しでも「自分を認められる」力を蓄えておくのがいいよなと思ってやっています。1対1の空間はそれがやりやすい場でもあるのです。